実は、日本のオリーブオイルの基準は国際規格と比較するとかなり緩め。
日本では”一等級”として売られているオリーブオイルが、世界基準では低品質である場合がとても多いという現実があります。
高品質なオリーブオイルは心臓血管系の病気予防やアンチエイジング効果などが期待できます。さらに、ダイエットやスポーツをしている人に嬉しい脂溶性ビタミンや不飽和脂肪酸も入っています。
しかし残念ながら、一般的に流通しているのは低品質なオリーブオイル。
以上を踏まえ、ここでは始めにオリーブオイルの日本規格と国際規格をご紹介。次に、高品質で健康に良くて美味しいオリーブオイルを見つけるための8つのチェックポイントを解説していきます。
目次
日本のオリーブオイルの基準と世界の基準
世界には、政府や国間でオリーブオイルの基準を決めている国際オリーブオイルカウンシル(IOC)という組織があります。しかし日本はそれに加盟しておらず、JAS(日本農林規格)に則ってオリーブオイルの基準を決めています。それは国際基準と比較すると、驚くほどアバウトなもの。
国際的には酸度などの成分面はじめ、味もフルーティーさや苦みなど細かく20以上の項目が基準の対象。その項目のうち1個でも落第があったら「エキストラバージンオリーブオイル」と言えないことになっています。
ここでは、一番違いがわかりやすい酸度基準を見てみましょう。
※横スライドで見られます。
国際規格 | JAS規格 | |||
---|---|---|---|---|
名称 | 酸度 | 名称 | 酸度 | |
オリーブ果実を絞っただけのもの | エキストラバージンオリーブオイル | 0.8%未満 | エキストラバージンオリーブオイル | 2.0%未満 |
ヴァージンオリーブオイル | 0.8-2.0%未満 | オリーブオイル ピュアオリーブオイル |
規格外 | |
ランパンテ ヴァージンオリーブオイル | 2.0%以上 | |||
薬品を使って精製したもの | 精製オリーブオイル | 0.3%未満 | ||
オリーブオイル | 1.0%未満 | |||
見精製サンサオイル | ||||
精製サンサオイル | ||||
サンサ・オリーブオイル | 1.0%未満 |
このように、同じ「エキストラバージンオリーブオイル」という名前でも品質基準が全く違うことがわかります。
日本で売られているオリーブオイルは、日本の基準を守ったうえで販売されていますが、その肝心の基準が世界とこんなにも違うとビックリですね。
世界中でまがいものが出回っている現実
実は、日本だけでなく世界中でオリーブオイル品質問題は起こっています。特にアメリカは日本と同様に、企業利益第一の低品質なオリーブオイルが横行していて、最高級で栄養タップリかのように売られているのです。
冒頭でも軽くお話しましたが、まがいものや低品質なオリーブオイルは栄養成分が少なく、そこまでの健康効果は期待できません。それどころか、高い値段を出して買った割に、実際はそう健康的でも無かったという事態になってしまう可能性もあるのです。
そこで、次章では高品質なオリーブオイルを自分で選ぶためのチェックポイントを8つご紹介していきます!
健康に良いオリーブオイルを買う前のチェックポイント8つ
ぜひ、スーパーや通販でオリーブオイルを買うときに活用してくださいね。
※細かいことは知らなくても良いから「手っ取り早く高品質なオリーブオイルを選びたい!」という方は次の章へ!
遮光瓶にボトリングされていること
オリーブオイルは空気・光・熱が大敵。光がカットされるような遮光瓶(色の濃い瓶)に入っているのがベストです。
透明のプラスチック製容器に入ったものは避けましょう。未開封であっても、光・空気・温度変化によって酸化してしまい、さらに品質が落ちている可能性が高いです。
低温圧搾
30度以下で、遠心分離機によって絞られたオリーブオイルを選びましょう。
収穫日は1年以内がいい
オリーブオイルは、オリーブの実を絞って作られた油ですので鮮度が命です。そのため、親切にボトルに収穫日の掲載がある場合は、1年以内のものであることを確認しましょう。
瓶詰め日を気にしない
瓶詰め日とは、オリーブオイルが実際に瓶に入れられた日のこと。つまり、どの時期にどのようにして作られたかが把握できないので、気にする必要がありません。
逆に、瓶詰め日だけがわざわざ主張してラベルに掲載されている場合は、消費者をうまく勘違いさせるために書いてある可能性があるので、要注意です。
最低限”エクストラバージン”と書いてあること
日本基準では”最高品質”とされているエクストラバージンオイルを選びましょう。最低限、日本基準でエクストラバージンオイルでなかったら「ピュア」という文言が付けられるか、ただの「オリーブオイル」という名前で売られることになります。当然ながら、これらは国際基準だとかなり低ランクに分類されます。
ビタミンなどの栄養素をオリーブオイルに期待する場合は、最低限”エキストラバージンオリーブオイル”と書いてある商品を選びましょう。
オーガニック認証マークの有無
オーガニックだと栄養や品質が保証されるいうわけではありませんが、あったら農薬不使用なので安心です。
適正価格で売られていること
高品質で栄養タップリなオリーブオイルは、手間をかけて絞って作られているため、化学薬品で絞りだしたり古い年のものと混ぜたオリーブオイルと比較するとやはり価格は高めになってしまいます。
もちろん、値段が高いものが全て良いものとは限りませんが、安いものは間違いなくまがいもの。特売や激安のオリーブオイルは、その安い値段で売っても利益が出るような材料や作り方でできているのです。
迷ったらオーストラリア産かチリ産を選ぼう
「手っ取り早く、栄養がある高品質なオリーブオイルが欲しい!」
そんなあなたは、オーストラリア産かチリ産のオリーブオイルを選びましょう。
オーストラリアは世界一オリーブオイルの基準が厳しいことで有名ですし、チリも高い基準を保っています。
高品質なオリーブオイルは、ダイエッターやスポーツ選手など全ての人に栄養面で大きなベネフィットがあります。ぜひ、高品質のオリーブオイルを毎日の生活に取り入れてみてくださいね。