ハードな競技に打ち込んでいるスポーツ選手は、その分多くの栄養素を消費します。そのため、一般人のように1日3食の食事量では、素早く疲労回復をしたり、体を大きくするだけの栄養素をまかなうことができません。
そこで便利なのが補食です。食事と食事の合間に栄養素を補給することで、理想的なスポーツ選手の栄養摂取量に近づけることが可能に。
ここでは、まず初めに運動前後で異なる補食の役割をわかりやすく解説。次に、タイミング別に適した補食を見ていきましょう。
補食の役割
運動前の補食の一番大きな役割は、糖質を補給して競技パフォーマンス低下のリスクを下げること。また、運動後は使った栄養素を補填し、疲労から早く回復しさらに強い体をつくるという役割があります。
運動前はエネルギー貯蓄
ヒトの体は、筋肉の中に糖質の貯え(筋グリコーゲン)があり、それを運動中にガソリンとして使います。この糖質貯金が運動中に底をついてしまうと、「脚が止まる」という現象が起こります。マラソン競技の途中で歩いてしまう選手はこの状態です。脚を動かそうにも、ガソリン(糖質)がそもそも切れているので、動きません。
また、運動時に関わらずヒトの体は、糖質が足りなくなると筋肉を分解して代わりにエネルギーとして使ってしまいます。スポーツ選手からしたら、努力して付けた筋肉が浪費されてしまうのですから、これほど勿体ないことはありません。
運動前に糖質をしっかり摂ることで、これらの現象が起こる可能性を下げることができます。
運動後はエネルギー補填と疲労対策
激しいスポーツをした後は、筋肉の糖質貯金が減ってしまった状態。ビタミン・ミネラルも使われています。さらに、ジャンプやダッシュ等の動作が多い競技の場合は、体の衝撃で鉄分が壊れたりしています。
そのため、運動後に糖質・タンパク質・ビタミン・ミネラルを補填することが効果的です。そうすることで、疲労からの回復を早めたり、筋肉が効率的に付くようになります。
おすすめの補食
アスリートの補食は、高糖質・高たんぱく・低脂質な栄養素を含むものが理想的。以下に、スポーツ選手の補食として便利な食品はこのようなものです。
- ミックスナッツ
- チーズ
- 果汁100%ジュース
- あんパン・ジャムパン・かにパン
- 低脂肪ヨーグルト
- 和菓子
- カステラ
- 野菜ジュース
- おにぎり
- プロテインバー
- プロテイン粉末
- 牛乳・豆乳・アーモンドミルク
- ドライフルーツ
- フルーツ
- クラッカー
- せんべい
ただ、これらはいつでも食べて良いという訳では無く、食品によって適した食べるタイミングがあります。次のページでは、運動前後のそれぞれのタイミングにぴったりの補食を見ていきましょう。