驚くべきことに日本では、ほとんどの食品に何らかの形で遺伝子組み換えトウモロコシが入っています。
例えば、誰もが知っている有名な炭酸飲料やスーパーやコンビニなどのおかずなど、本当にあらゆる食品にしれっと入っているのです。
ここでは、遺伝子組み換えトウモロコシとはそもそもどんなものなのかや、健康への影響はあるのか、賛成派・反対派の意見を紹介していきます。
目次
知らずに遺伝子組み換えトウモロコシを食べる日本人
ところで、あなたは日本が世界第一位のトウモロコシ輸入国であることは知っていましたか?そのうち少なく見積もっても50%以上が遺伝子組み換えトウモロコシです。
「トウモロコシなんて毎日食べていないから実感が無いんだけど。」という人が多いと思いますが、実は日本が輸入しているトウモロコシの多くは家畜のえさ用で、残りはコーンスターチへの加工用。
つまりコーンスターチが原料のあらゆる製品・肉製品を通して間接的に、遺伝子組み換えトウモロコシは私たちの口に入っているのです。
「ちょっと待って、聞いてないけど。」こんな声が聞こえてきそうですが、残念ながらこの事実が表だって取り上げられることは、ありません。
なぜなら、それを公表したことが原因で、仮に世の中の製品が売れなくなったら、企業は困ってしまいます。それに、モノが売れなかったら、税金が取れないので国も困ります。
これについてはもう仕方がないことで、いち個人や少ない人数の人間が主張してもどうにもならないので、一旦置いておきましょう。
しかし、遺伝子組み換えトウモロコシを普段口にしている以上、最低限のことは知っておく必要はあります。食べたもので体はできていますからね。
そこで次章では、まず遺伝子組み換え作物とはどんな物なのかや、どんな理由で作られたのか、安全性や危険性について順番に解説していきます。
そもそも遺伝子組み換えとは
動物は細胞からできていて、その細胞の中にDNAという生物の情報を格納しているらせん状のひもがあります。このDNAは動物によって違い、もちろん人間も他の動物とは違うDNAを持っています。
遺伝子組み換えとは、人工的に、ある生物のDNAを違う生物のDNAに組み込むこと。
例えば虫に喰われにくい穀物の品種をつくって、虫を寄せ付けないようにして育てる段階での手間を減らせるようにできます。また、家禽であれば産まれたときから羽毛の無い鶏をつくれば、と殺後に羽をむしる手間が減るのでコストカットになります。
つまり、人間にとって都合の良いように生物をつくりかえることができるのです。
主導はアメリカのモンサント社
さあ、ここで遺伝子組み換えトウモロコシの話題に戻りましょう。
冒頭で、日本がアメリカから輸入するおそらく50%以上が遺伝子組み換えトウモロコシで、そのほとんどが家畜のエサ用か加工用だとお話しました。
この遺伝子組み換えトウモロコシの種を販売しているのはモンサント社。遺伝子組み換えで特許を取得しているので、市場を独占しています。また、遺伝子組み換え作物はお金になるのでアメリカ政府とも仲がいいです。
そのモンサントが遺伝子組み換えでつくっているキングコーンは、雑草に強く、自然の品種よりも5倍多く収穫でき、害虫に喰われないという素晴らしい特徴を持っています。
このようなベネフィットと、アメリカ政府が農家に与える手厚い保証金のおかげで、モンサントのキングコーンは凄まじい勢いで生産量を増やしています。
健康への危険性と影響
当然ながら、キングコーンの種子を開発しているモンサント関係者は「わが社の遺伝子組み換えトウモロコシは健康には問題ない!」と主張しています。
しかし、フランス・特にヨーロッパを中心に「遺伝子組み換えトウモロコシは、健康への影響が不明で確実ではないため反対。」という意見が根強いです。
実験で安全性が確認された―(モンサントが90日間かけて実験、詳細は非公表)
日本では食品安全委員会が人体への影響を調べ、問題ないという結論に
■反対(ヨーロッパ中心)
実験の結果、マウスの実験で悪性腫瘍・内臓疾患多発―(2年間、200匹のマウスを使った実験)
反対派の証拠としてはフランス・カーン大学のセラリーニ教授らによって行われた実験があります。これは2年間のマウス実験で、実験結果はインターネットに公表されています。
しかし、一方でこの反対派閥から発表された研究結果は、公表された後に取り下げられ(なかなか無いこと)、別な科学機関に「再掲載」という注意書きと一緒に、再び公表されています。
この出来事には2つの捉え方があります。
- セラリーニ氏らの研究結果が、客観的に見て致命的なほど信頼性が無かったので、取り下げられた
- セラリーニ氏らの研究結果が、世間に広がると立場が悪くなる巨大な組織が存在し、その組織の意向でこうなった
当サイトの筆者は遺伝子組み換えの専門家でないので、この問題に関して結論を出すことは出来ませんが、ある情報をもとにした見解は以下の通りです。
―モンサント社はその実験内容を公表できるはず
―企業は堂々とその事実を、食品栄養成分表示に書けるはず
―日本政府・メディアは、TVニュースなどで堂々と報道できるはず
以上、遺伝子組み換えトウモロコシの長期的な健康への影響を100%確かめられないという現状を踏まえ、反対の立場を取ります。
何十年にわたる検証研究は無い
モンサントによると「安全」とのことですが、あくまでもそれは実験室の中の結果。何十年と遺伝子組み換えトウモロコシを食べた結果、健康に100%影響が出ないのかなんて、誰も知りません。
ところで、現在、日本ではがん(悪性腫瘍)患者が年々急増しています。がんは、食事・睡眠・運動のどれかか全部に問題があることで発症リスクが上がります。なお心筋梗塞などの他の生活習慣病についても、長期間、何かしらの原因が積み重なって発症するもの。
つまり、たとえ、仮に遺伝子組み換えトウモロコシが原因で、何らかの健康被害が何十年後かに出たとしても、それが原因だと特定することは、現実的に不可能なのです。
遺伝子組み換えトウモロコシ使用の可能性が高い商品一覧
驚くべきことに、トウモロコシはさまざまな飲料や食品の原材料になっています。
食品栄養成分表示には、例えば清涼飲料水の甘味料(異性化液糖)や、プリンなどの冷たいお菓子を固めるため(凝固剤)や、食品にとろみをつけるため(加工でんぷん)として使われています。
ここでは、有名どころから、遺伝子組み換えトウモロコシを使用していると推測できる商品を紹介。
- コーラ・サイダーなどの清涼飲料水
- イチゴミルクなどの甘い系乳飲料
- 市販のゼリー・ムース・ケーキ
- 駄菓子
- キャンディ・ソフトキャンディ
- クッキー・ビスケットなどの焼き菓子
などなど…。
一覧の根拠:
日本コーンスターチ社のコーンスターチ(GMO不分別)の紹介ページに
食品分野では水あめやブドウ糖、異性化液糖などの糖化原料や、洋菓子や水産練り製品の食感改良剤として幅広く使用されています。
と掲載あり。
また、日本コーンスターチ社の、飲料・食品関係の主な取引先は以下で見られます。
「昨日炭酸飲料飲んだけど、そんなことは栄養成分表示に書いていなかったぞ!」という方。確かに、そうです。
実は、キャリーオーバーという法の例外を活用すれば、遺伝子組み換えトウモロコシを原料に使っていても、そのことを表示しなくても良くなります。そのルールもあって、あまり私たち消費者には目が届かないようになっています。
まとめ:GMと分かって食べるなら個人の責任なのでOK
以上、遺伝子組み換えトウモロコシについて詳しくお話してきましたが、いかがでしたか?最後に、ここまでの内容をサクッとおさらいしていきましょう。
- 日本人は知らずに遺伝子組み換えトウモロコシを口にしている
- 遺伝子組み換えとは人工的にDNAを作りかえること
- 日本政府・アメリカ政府は食べても問題ないと言っている
- 遺伝子組み換えトウモロコシを食べ続けたときの健康への影響は不明
もし私たちの年代は大丈夫でも、私たちの子どもの世代は…?と考えたら、政治家も、科学者も、誰も知りません。
あなた自身や、あなたの子ども世代の健康や将来に関わることですので、無知・無関心では済まされません。
さて、あなたは遺伝子組み換えトウモロコシに賛成ですか、それとも反対ですか。