食品問題

絶対に知っておくべき添加物のキャリーオーバー制度

「知らないうちに、こんなに添加物を口に入れていたなんて!」

実は、食品を含む商品をつくる前の段階で使われた添加物については、基準や条件を満たしたときだけ書かなくてもOKという合法ルールがあります。

これがキャリーオーバーという制度ですが、例えば「パッケージには無添加と書いてあるが、本当は添加物タップリだった!」というようなことが実際にあるのです。

そこでここではまず初めに、キャリーオーバーとはそもそも何か・どんな基準なのかを解説。次に、具体的にスーパーやコンビニに溢れるキャリーオーバーの例を一緒に見ていきましょう。

キャリーオーバーは2つの基準を満たしたら使える

表向きには、キャリーオーバーは「使った食品添加物を全て表示していると表示欄が長ったらしくなって見にくいから、省略しちゃおう!」という理由で作られた特例。

キャリーオーバーが実際に使えるのは、以下の2つの基準を満たした場合です。

1.食品の原材料をつくったり、加工したりするときに使われた添加物
2.1の過程では使われたが、食品をつくる段階ではその添加物は使われない。同時に、2の段階では1で使われた食品添加物の効力が十分にできない
※絶対に表示しなければならないもの
アレルギー発症数が多く、発症した場合危険な状態になる可能性が高い食材(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)

例えば、メロンパンの上には、サクサクのクッキー生地がかかっています。そのメイン原料であるショートニングに安定剤が入っていても、最終的に「メロンパン」で売り出すときには、キャリーオーバーで「安定剤」の表示義務がありません。メロンパンとして商品が完成した段階では、安定剤は効果が十分に発揮できないと判断されるからです。

問題なのは、キャリーオーバーを使うか使わないかがメーカーの判断による、ということ。つまり、メーカーの解釈のしようで添加物を表示するのか、しないのかが決められるのです。

全てのメーカーが消費者のためにきちんと表示してくれれば良いのですが、残念ながら実際はそうでは無い場合も…。次章で具体的に、企業が“消費者にウソを付かずに・合法に”添加物をカモフラージュする方法を見ていきましょう。

合法的にキャリーオーバーで添加物を隠す手法

前章で、キャリーオーバーで添加物を省略するには基準がきちんと決められているとお話ししました。ルールが決められているところまでは良いのですが、問題は最終判断が企業にあること。

つまり、企業の解釈のしようによってはどうにでもなるので、現実は消費者に不利なようにキャリーオーバーが使われています。具体的には、以下のような状況です。

例1)「無添加ハンバーグ」
実際・・・抗生剤とホルモン剤を投与して、病気なしで早く成長させられた牛の肉を利用。同じ様に育てられた鶏の卵も入っている。ハンバーグのたねの味付けには、化学調味料はじめ添加物は使っていないので問題なし。

例2)「無添加化粧品」
実際・・・原料段階で保存料などの添加物を加えて、長持ちするようにする。その後、複数の原料を混ぜ合わせる。これが最終工程で、この段階では添加物は使っていないので「無添加」という文言を使っても問題なし。

※本当は、前の工程で使われた添加物の効力が十分に残っている場合は、表示義務がある。しかし、表示するかしないかの最終的な判断はメーカーなので、実際はメーカーの解釈でどうにでもなる。

残念ですが、このようにキャリーオーバーは使われています。もちろん、企業が利益のためにしれっと隠すのも問題ですが、私たち消費者にも問題があります。

当然ながら、消費者の「便利で、安上がりで、美味しい物が食べたい!」という欲求に応えるために、食品添加物は使われています。食品添加物が無ければ日持ちしないので不便になってしまいますし、色も添加物を使った方が美しく鮮やかになります。

私たちの生活は、食品添加物に支えられているといっても過言では無いのです。

その現実を受け入れたうえで、便利な食品添加物に頼った生活をするのか、それとも健康を大切にして考えて食べるものに気を遣うのかについて個人個人で考える必要があります。

少し厳しい話になってしまいましたが…。これが真実です。大事なのは、まず本当のことを知って、それを受けて自分はどうしていくか?を自分自身で決めるということなのです。

まとめ:「添加物不使用」「無添加」「ナチュラル」にも最新の注意を

以上、キャリーオーバーと添加物について詳しくお話してきました。最後に、この記事のポイントをおさらいしていきましょう。

キャリーオーバーは…

  • 基準を満たせば添加物を省略しても良いというルール
  • 実際に添加物を省略するかしないかはメーカーの判断
  • アレルギーで心配な特定原材料は適用されない
  • 商品を良く見せたり、不都合なことを隠すのに頻繁に使われる

私たちの口に入る添加物は、国から認められたものではありますが、その添加物の長期的な体への影響は政府の人やその道の専門家を含め、誰も知りません。そのため、何年・何十年か経って後から「〇〇」に発がん性があることがわかって、いきなり使用禁止になったりします。もちろん、スポンサーの関係でTVニュースなどで公になることはありません。

また、添加物は「単体」では認可されていますが、複数の添加物が組み合わさって人体に有害な物質になることもあり得ます。

以上、キャリーオーバーの制度も踏まえて便利・安いを取るか、将来の健康のために食材を選ぶか、ぜひ一度考えてみてくださいね。

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