ダイエット

プロテインと炭水化物を一緒に摂ってトレーニング効果を最適化

トレーニングによって傷ついた筋肉や体組織を治したり、前より強くしたりするには、糖質とたんぱく質の両方が必要です。スポーツ後に一緒に摂ると、筋肉を効率的に付けられたり、疲労から早く回復することができます。

ここでは初めに、なぜトレーニング後にプロテインと併せて炭水化物が必要なのかや、プロテインと炭水化物の理想の比について詳しくまとめています。

また、練習後や試合後のシーンを想定して、プロテイン粉末と一緒に摂ると良い炭水化物の種類についても解説。今より効率的に強くなりたいあなた、必見です!

失った筋グリコーゲンを炭水化物で補充し、糖新生を予防する

筋肉

スポーツ後は、筋肉に蓄えてあった筋グリコーゲン(糖質)が運動によって使われ、減ってしまっています。この使った分の糖質をトレーニング後の補食で補うことで、筋グリコーゲンが補充されます。これにより、筋肉が疲労から早く回復します。

また、糖質(グリコーゲン)が足りなくなると、ヒトの体は代わりに筋肉そのものをエネルギーとして分解しだしてしまいます。(糖新生)この現象を防ぐためにも、炭水化物をしっかり補うことが必要です。

ちなみに、筋グリコーゲン1gを筋肉の中に保持するのに3~4gの水分が必要です。練習後は、炭水化物とプロテインだけではなく、水分補給もしっかり行いましょう。

プロテインと糖質の理想比

米国のマヨクリニックによると、理想のプロテインと糖質の比は以下の通りです。

糖質:たんぱく質=4:1~2:1

4:1の比であれば、糖質が60gのときにたんぱく質が15gに。2:1の比であれば、糖質が60gのときにたんぱく質が30gというぐあいです。この比だけ見ると幅があり、わかりにくく感じるかもしれませんが、目安ですのでだいたいで問題ありません。

運動強度がとても高かったり、次の練習や試合までに数時間しか無い場合は、糖質を多めに摂ると良いでしょう。たんぱく質は、糖質と比較すると消化に時間がかかるため、摂取しすぎると運動開始のときまでに消化できない可能性があるからです。

まず始めに、糖質に焦点を当ててみましょう。運動後の補食として糖質がどれだけ必要かは、あなたのや運動時間や運動強度によって変わります。

※横スライドで見られます。

運動後 目安の糖質摂取量
当日 4時間以内 1-1.2g
/㎏体重/時間
次の運動まで
1日空いている場合
普通の練習時間の長さで、
あまりきつくない練習の後
5-7g
/㎏体重/日
練習時間が長く、
きつい・かなりきつい練習の後
7-12g/㎏体重/日
かなりきつい運動が
1日4-6時間続く場合
10-12g
または12g-/㎏体重/日以上

例えば、体重65㎏の太郎くんが、あまりきつくない負荷の練習を1時間行ったとします。また3時間後の練習を控えている場合、1回目の練習後の糖質摂取量は、以下のようになります。

65㎏×1時間×1.2g=78g
78gの糖質が必要

この場合、太郎くんが練習後に補食として摂取すべきたんぱく質はこのようになります。

4:1でたんぱく質を摂る場合→約20g
3:1でたんぱく質を摂る場合→26g
2:1でたんぱく質を摂る場合→約40g

どうでしょうか?分けて考えれば、思ったより簡単ですよね。

なお、たんぱく質源としては、やはりプロテイン粉末が便利。持ち運びができて、冷蔵庫に入れなくても腐らないため、夏場のトレーニング時にも大活躍してくれます。

一方、糖質を摂取するときは要注意。糖質源だからといって何でも食べて良いわけでは無く、炭水化物の質や種類を考えて選ぶ必要があるのです。

おすすめの炭水化物

果物

運動後は、筋肉を素早く修復したり、筋グリコーゲンとして貯蔵される単糖類を多く含む炭水化物を食べましょう。一番おすすめなのは、以下のような果糖(フルクトース)を多く含む食品です。

  • 果物(バナナやオレンジ等)
  • 果汁100%ジュース
  • はちみつドリンク(手作り)
  • 市販の高エネルギードリンク・ゼリー

また、以下の炭水化物も吸収が早いのでおすすめですが、味付けにバターやクリームなどの油脂類を使わないように気を付けましょう。

  • 白米
  • 全粒粉のパン
  • じゃがいも

なお、同じ「果糖」という名前が付いた砂糖が入っていても、以下のような食品は避けましょう。特にコーラやイチゴラテなどの甘い飲み物には、果糖ぶどう糖液糖などといった糖質が驚くほど大量に入っていて、これが血糖値の乱降下の原因になります。

  • コーラやサイダーなどの清涼飲料水
  • 白いパン(総菜パン・菓子パン全般)
  • 市販のゼリーや乳飲料など甘い物全般

ちなみに、ナチュララテという明治の製品は、果汁とはちみつだけで甘みを付けているのでコンビニ飲み物の中ではダントツのおすすめです。

ビタミンも一緒に摂るとさらに良い

柑橘類

プロテインと炭水化物と一緒に、ビタミンやミネラル類を摂取すると尚良いです。特に、ビタミンBとビタミンCを意識して摂るようにしましょう。

柑橘系のフルーツは、ビタミンBとビタミンCが含まれています。持ち運びも比較的簡単ですし、おすすめです。

ちなみに、市販の果汁100%ジュースからはビタミンは摂れません。果汁を濃縮したものを輸入し、日本で100%の果汁濃度になるように薄めてからパックしているので、ビタミン類は壊れてしまっています。ですが、今どきはビタミンなどを後で添加したジュースが売っていますので、それを活用するのも良いでしょう。

たんぱく質と炭水化物は両方必要

ここまで、プロテインと炭水化物を練習後に摂取することで、筋肉を効率的に強くしたり、疲労回復が早くなったりするとお話してきましたが、いかがでしたか?

最後に、このページのおさらいです。

  • 失った筋グリコーゲンを素早く補填するのに糖質は必要
  • 運動後に筋肉の分解(糖新生)を防ぐために、じゅうぶんな糖質を摂る必要がある
  • 運動後に食べる炭水化物は、消化吸収の良いものを選ぶ
  • プロテインと炭水化物と一緒にビタミンCとビタミンBも摂ると良い

運動後の食事の内容は、その後の練習や、次の日のコンディションに直結します。ぜひ、運動後はあなたに合った量の糖質とたんぱく質を補給するように心がけてみてください。

参考

アスリートの栄養摂取と食生活 – 日本体育協会
http://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/ikusei/doc/k3-34.pdf